緑蕪堂日記

現状を追認しない

層のCokernelが層にならない例(一発ネタ)

複素関数論を学んでいれば学部の2年生でも作れそうな例なのであるが自分はSchapiraのLecture notesで見るまで気付かなかったし、世間でも余り見かけないので紹介しておく。 \mathcal{O}{\mathbb{C}}上の正則関数のなす{\mathbb{C}}ベクトル空間の層だと思い、その間の準同型として正則微分を取る。この時任意の円盤上ではCokernelがゼロになるが、例えば単位円盤から原点を除いた開集合上では1/zがCokernelの非自明な元となるため、層のseparation conditionを満たさない。